3びっくり (2)

 オーストラリアにはオーバーキルにもほどがある猛毒を持つ生物が数多く潜んでいる。毒グモ、毒ヘビ、毒クラゲはもちろん、植物だって油断ならない。

 オーストラリアに自生するイラクサ科の「ギンピ・ギンピ(学名 Dendrocnide moroides)」は、地球上の植物では最高クラスの猛毒を持つ危険なやつで、葉や枝に触れたら最後、神経毒を送り込まれ、地獄の痛みを味わうこととなる。その苦痛は2年にも及ぶというのだからたまらない。

 これまで、何がそんなにも強烈な痛みを引き起こしているのか謎だった。だが今回の研究でその神経毒の正体が明らかになった。

 それは、これまでまったく知られていなかった新しいペプチドだったそうだ。

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想像を絶する痛みが長期間続く。ついたあだ名は自殺植物

 ギンピ・ギンピの表面には、びっしりと刺毛が生えている。その為、うっかり葉や枝に触れてしまうとそこから神経毒が送り込まれ、想像を絶する苦痛でのたうち回るハメになる。

 そのせいでついた名前が「スーサイドプラント(自殺植物)」だ。

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ギンピ・ギンピ image by:Institute for Molecular Bioscience, University of Queensland

 実際に死ぬことはないらしいが、その痛みは熱した酸を浴びせられ、それと同時に感電したかのような激痛であるそうだ。

 植物学者のアーニーライダーは、1963年うっかりギンピ・ギンピに触れてしまったときの経験をこう語っている。


2、3日は耐えがたい痛みで、動くことも眠ることもできませんでした。その後も2週間はひどい激痛です。

2年経ってもヒリヒリした痛みが続き、水のシャワーを浴びるたびにぶり返しました。これに匹敵するような痛みはなく、他よりも10倍はひどいものです



Planta peligrosa en Australia Gympie-Gympie

ギンピ・ギンピから未知のペプチドが発見される

 そんな激痛をもたらすギンピ・ギンピだが、何がそんなにも強烈な痛みを引き起こしているのかこれまで謎だった。そこから抽出した分子を使った実験では、そこまで激しく、しかも長引く苦痛を再現することができないのだ。

 だが、オーストラリアクイーンズランド大学の研究者によって、ついにその謎が解明された。

 それはこれまで知られていなかった新しいペプチドで、抽出されたギンピ・ギンピにちなみ「ギンピータイド(gympietide)」と命名された。

植物由来ですが、クモやイモガイの毒に似て、3次元分子構造に折りたたまれ、同じ疼痛受容体を標的にします。まさにギンピ・ギンピは猛毒植物なわけです

と、研究グループのイリーナ・フェッター氏は話す。

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ギンピ・ギンピの刺毛 image by:Institute for Molecular Bioscience, University of Queensland

知覚ニューロンを恒久的に変化


 ギンピータイドは知覚ニューロンのナトリウム・チャネルを恒久的に変化させるようだ。そのおかげで、刺されてから数か月、下手をすると数年も痛みがぶり返して苦しむことになる。

 フェッター氏は「この毒の作用を解明して、ギンピ・ギンピに刺された人の痛みを緩和したり、完全に消したりするような治療ができるようになればと思っています。」と話している。

この研究は『Science Advances』(9月16日付)に掲載された。

Neurotoxic peptides from the venom of the giant Australian stinging tree | Science Advances
https://advances.sciencemag.org/content/6/38/eabb8828
References:newatlas/ written by hiroching / edited by parumo 全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52294786.html
 

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(出典 news.nicovideo.jp)

ギンピギンピ(英語: Gympie gympie、学名:Dendrocnide moroides)は、イラクサ科に属する被子植物。この他にも、ギンピ(英語: Gympie)、スティンギング・ブラッシュ (英語: stinging brush)、ギンピ・スティンガー(英語: Gympie
13キロバイト (1,325 語) - 2019年6月6日 (木) 14:52



(出典 image.news.livedoor.com)


見た目は何の変哲もない植物なのに…知らないと怖いですね。

<このニュースへのネットの反応>

脳にまで影響及ぼすとか怖すぎる。


この植物見ると毎回思い出すんだが、「野○ソした後ケツを拭くのにうっかりギンピギンピの葉を使ってしまい、その後自○した」って話、泣くべきか笑うべきか分からない


へんないきも〇チャンネルで初めて知ったときヒエッってなった植物だ。


…常習犯の抑制に使えそうですよね(閃き脳)


たしか山で野○ソしてこれの葉でケツ拭いて、あまりの痛さに銃で自分の頭をぶち抜いたやつがいたよな


1コメにあったわ(´・ω・`)


ハンマ・ハンマ


得てして神経毒から有能な鎮痛剤が開発されるんだよね。期待したい。


世の中に無駄な物ってないのね。


なんかレア社のゲームに出てきそうなネーミングだよな、ギンピ・ギンピ


これ野生動物はどうしてんだ?仮にこれの恐ろしさを知っていても日常的に自然の中にいたら回避不能だろ。いくら毛皮があっても関節部分とかちょっとしたケガをしてる箇所で触れてしまう事もありそう。動物には効かないのかな?


この植物は何でそんな強烈な毒物が必要だったんだろう?身を守るだけにしてはコストを懸け過ぎてる様に思うんだが。


これとかマチンとか何から身を守るための毒なんだよってやつがたまにいるよな。


何が怖いって一切警告色になっていない普通の植物に見えることだよな。


恒久的に変化とかこわ!でも神経系の変化させる過程とか解明することができたら、神経系の障碍治療とかに応用できないかね。異常を正常に変質させる的な。


昔のアクションゲームで触れると一発で○ぬやつの正体


痛いの分かってるのに結構触って嘔吐までするってどんなドMだよ


YouTuberさん再生数稼ぎのネタにもってこいですよ!


「知覚ニューロンのナトリウム・チャネルを恒久的に変化させる」怖いなー、もはや拷問専用毒だな


イモガイに似た毒って聞いただけでやばさが判る


花騎士ギンピ・ギンピが最凶のフラワーナイトと呼ばれる所以だな。通常攻撃にまで致死毒付与はぶっ壊れ性能だぜ!


ガンダムの敵MSみたいな名前してんなおい


ギンギンビンビンに空目した


これ絶対戦争兵器に悪用されるやつだ


苦痛が地面から生えてるような植物だな、必要だから残ってるんじゃなくてたまたま不要にならなかったから上手いこと残ってる感じがする


恒久的に書き換えるとか恐ろしすぎるだろ… でもなんだか色々なことに置き換えて研究されそうな気もする…


どういう過程の進化を遂げたらこんな強力すぎる毒を身に着けるようになるのか


一覧だとタイトルが「触れただけで地獄の痛み、猛毒植物「ギンピ・ギンピ」からまったく新しい神」で切れているから何事かと思った


「抽出した分子を使った実験では、そこまで激しく、しかも長引く苦痛を再現することができない」っていったい誰が試したんだろう…研究者本人かな?


ゼルダのボスキャラで出てきそう「猛毒植物 ギンピ・ギンピ」


人間の構造を単純に破壊するのでなく恒久的に変質というのが怖い。Win10出したときのMicrosoftみたいな毒だ