日本のレストランやカフェでパスタ料理を注文すると、ほとんどの場合、フォークとともに「スプーン」が配膳されます。そして、スプーンの上でパスタをフォークでクルクルと巻き、口に運ぶというのが一般的だと思っている人も多いのではないでしょうか。一方で、テレビの旅番組などで、イタリアの外食や食卓の様子を見ると、パスタをフォークのみで食べ、スプーンを使っている光景は見たことがありません。
日本ではなぜ、パスタを食べるときにスプーンを使うのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。
Q.イタリアではパスタを食べるとき、一般的にスプーンを使わないのでしょうか。使うのは幼児がパスタを食べるときだけだそうですが、それは本当でしょうか。
関口さん「本当です。イタリアでは、フォークでパスタをクルクルと巻き、口に運んで食べる、つまり、フォークだけでパスタを食べるのが一般的です。まだフォークの扱いに慣れておらず、パスタをうまく巻き取れない幼児期の子どもが補助的にスプーンを使います」
Q.イタリアでは、大人はスプーンを使わないのに、日本ではなぜ、大人もパスタを食べるときに使うのでしょうか。
関口さん「スプーンの上でパスタをフォークに巻くと、ちょうどよい麺量の調整がしやすく、口に入れやすい量に巻き取りやすくなるからです。日本人にとって、パスタは洋食であり、フォークとスプーンを使うのは、洋食を食べるときにナイフとフォークを持つ感覚と同じなのだと思います。麺料理は日本にもたくさんありますが、本格的なパスタ料理としていただく場合、少しでも上品に美しく食べたいという感覚が、スプーンを添えて巻き取るしぐさになったようです。
また、スプーンのカーブがちょうどよく、巻き終わりの麺をひとまとまりにしてくれるので口に入れやすく、口の周りを汚す心配が減って安心だという女性心理があり、特に女性がスプーンを使うことが多いと思います」
Q.いつから、どのような経緯でスプーンが使われるようになったのでしょうか。
関口さん「諸説ありますが、パスタをフォークとスプーンで食べるようになったのは1990年代の『イタ飯ブーム』が影響していると思われます。東京の六本木や青山などの“おしゃれスポット”に格式ばらないイタリアンの店が次々とオープンし、盛んに雑誌やテレビが取り上げるようになりました。デートスポットとして注目され、こぞって若い男女が押し寄せたのです。
当時の『イタ飯』という言葉には、とても粋な意味合いがありました。肩肘張らずに気の利いた食事に誘う言葉であり、マナーや厳格な決まりにとらわれない雰囲気で、おしゃれに食事が楽しめることも魅力となり、スプーンを使ってパスタを食べる女性の姿が美しい所作に映っていたのです。
むしろ、当時は『パスタはスプーンを使うとおしゃれに見える』とし、あえて、スプーンを使う食べ方を身に付けたものです。店側もデートのときにパスタが食べにくい料理とならないよう、女性にはスプーンを供する配慮をしていました。これらは日本独自の風潮で、バブル期の日本が生み出した一つの文化ではないかと思います。
別の説もあります。スプーンが、たらこスパゲティを作るための調理道具だったという説です。東京・渋谷などにあるスパゲティ専門店『壁の穴』の『たらこスパゲッティ』は器にほぐしたたらことバターなどをあらかじめ入れておき、そこに、ゆでたスパゲッティを投入し、スプーンとフォークであえて作るものでした。そのスプーンとフォークをそのまま、皿の縁に添えたため、そのスタイルを他の店でもまねをして、本来、パスタを食べるのに必要ではないスプーンが広まっていったというものです」
Q.「スープパスタ」と呼ばれる料理の場合は、必要なものとしてスプーンが用意されるのでしょうか。
関口さん「スープパスタの場合は必ず、スプーンが用意されています。パスタを食べ終えるとスープが皿に残りますが、余ったスープは飲むことができます。その場合、お皿を口に運ぶのはNGです。そのため、スプーンが用意されます。パンにスープを染み込ませて食べてもよいです」
Q.時々、ネットで「パスタにスプーンは必要か、不要か」が議論になりますが、こうした白黒をはっきりとさせようとする議論は不毛なのでしょうか。お考えをお聞かせください。
関口さん「不毛だと思います。なぜなら、テーブルマナーは一つの目安に過ぎません。料理自体が国の壁を越え、さまざまな融合が進んでいます。フレンチでも和の技法や食材を用い、箸で供されることもあります。お酒をワイングラスで出したり、スープを日本の茶わんや塗り物で出したりすることもあり、その場合はスプーンを使いません。
料理や食事には『楽しむ』という目的があり、新しい食べ方や使い方、調理法を生み出して進化していくものです。伝統的な食べ方にばかりこだわるのは無意味ではないでしょうか。スプーンやフォークなどの道具は食べやすくするためであり、イタリアでは、昔はパスタを手づかみで食べていたそうです。少なくとも日本にいるときは、日本人の感覚の中で、周囲に不快感を与えない食べ方を心掛けたらよいのではないでしょうか」
オトナンサー編集部
(出典 news.nicovideo.jp)
ティラミス (カテゴリ イタリアのケーキ) 米国では1970年代終わりから1980年代初めにかけてブームになった。 1980年代後半に起きたイタリア料理ブーム(1988年頃から「イタ飯」と呼ばれる)に乗り、それまで都心の高級イタリアンレストランのメニューには存在したティラミスだが、1986年にデニーズがメニュー 7キロバイト (884 語) - 2021年2月11日 (木) 10:01 |
<このニュースへのネットの反応>
good
小さな村の物語イタリアでは大抵使ってるけど何処のイタリアの話?
スパゲティかスパゲティーニのちゃんとした食べ方を解説するなら。パスタ呼びはやめた方が良いと思う。最低でもショートかロングパスタかだけでも記述すべき。
コンビニでパスタ買う時に「お箸とフォークどちらにされますか?」とか聞かれるのが当たり前なのはどうかと思う。初めて聞かれたときビックリした
昔はスパゲッティって正しく呼んでいたのに、玄人ぶったアホが「パスタ」つって微妙に誤った呼称使うようになったんだよね。
イタリアでこれやると笑われるらしいね
イタリア行って本場のナポリタン頼む話してもいいのか!
痛飯?勘違いした日本人がイタリアの子どもの真似をしてるだけということか…だとしたら㌧だ赤っ恥やねw
30年生きてきたけどパスタにスプーン使ったこともなければ使ってるところ見たこともないっすね むしろ箸の方が見ますね
元々スプーン使わない派だったけど試しに一回スプーン使って食ってみたら便利すぎて。多分一生スプーンなしでスパゲティ食わないわ俺
はしのほうが万倍便利な気が...
そんなもん、伊丹十三が「たんぽぽ」で25年も前に言及したんだが。
先割れスプーン使って犬食いするのが作法だと教えられたあの日
ズズッと音をたててスパゲティ食べるの、みんな止めようよ。あれが許されるのはうどんそばラーメンだけだろ。洋食でやったらアカンて
知ってるけど、使った方が全然食べやすい。皿がどんな形状でも関係なく巻けるし。箸でもいいけど、すすらないといけないから、それよりはマナーとして他人に迷惑かからなくていいと思う。
イタリアの田舎でやっているのを「イタリアではこれが主流」って勘違いしたのが始まりって聞いたな。似た様な件でコーヒーにレモンをかけるのもアメリカの一部のレモン農家でやってたをの「これがアメリカの主流」みたいな宣伝したのが始まりだとか。まぁ、あっちでも寿司があらぬ方向に魔改造されてるし、どっこいどっこいよ。
じゃあ外国人が箸使わずに和食食ってるの見かけたらちゃんと煽ってこいよ
すするんじゃなければどっちでもいいじゃん。まあ、自分は使わない派だけど。なんかの記事で、スプーン使ってパスタ食べてる欧米人を見たことがあるんだけど、イタリア以外のパスタ(スパゲッティ)を常食する国で、スプーンを使う習慣がある国ってないのかな。
たんぽぽたんぽぽ
箸でええやん
慣れたらフォークだけでちょうど一口分に出来るから楽なんだけどね
風間「ここは日本だぞ」
スプーンとか使ったこと無いな。てかめんどいからいつも箸だわ
箸ですするのはダメって言ってるやつも、スプーンがダメってやつと同レベルだろ 本場で食べるならともかく日本で食べるなら日本のやり方でいい
あれ?スプーンを補助的に使うのは、アメリカ人があまりにも不器用だから使い始めたと思ったが、いつの間に日本発祥になってるんだ?むしろ、そば食いの影響ですすって食べることならわかるのだけど。
全部マナー屋の仕業では?(
箸が上手に使えない人にフォーク出すのは親切。フォークだけだとすすっちゃう日本人にスプーン添えるのも親切。じゃダメなの?
イタリアでスプーンを使わないことは日本でスプーンを使わない理由にはならんがな
>テーブルマナーは一つの目安に過ぎません これはいい言葉だと思う。フィンガーボールの水を女王様が飲む話、道徳の教科書に載っていたのを思い出した。あと、NIHON ZIN は魔改造民族だ。カレーは言うに及ばず舶来磁器の「茶」椀にご飯を盛っちゃうぐらいだ。スプーンぐらいなんてことない。美味しく食べられればいいんだよ、きっと。
フォークだけでくるくるひょいぱくが上手にできなくて……イタリアの人、ゴメンね? お箸でつるつるはやらないから許して。
は?パスタには細長い棒状だとかいう定義は無かったはずですが。この記事に書いてあることはスパゲッティのことだろうが。
ゴッドファーザー2の影響だって聞いたけど
外人だってフォークでラーメン食ったりするし、使いやすいものを使えばいい
箸でスパゲッティを食べるチェーン店が存在してる時点で… スプーン使用も日本流のアレンジの範疇に普通に収まってると思うけどな
フォークだけで食べるのに適している食べ物だとは認めるが、スプーン使おうが上手く食えない。結局は箸で啜りながら食べる事になるから、家以外では絶対に食べない様にしてる。
何だっていいじゃねぇか。元をただせばラーメンの従弟ぐらいのもんだし、スプーンどころか箸だっていいだろ。
え?スプーン使うの?
スパゲティはスプーンとフォークを使って二人で丸めて奪い合って食うもの
記事末尾「テーブルマナーは一つの目安に過ぎません。」この言葉をマナー講師共にたたきつけたい。 なお、伊語/パスタ=英語/ペースト=日本語/練り物。広義には歯磨き粉もパスタ。
Q.日本ではなぜ、パスタを食べるときにスプーンを使うのでしょうか? A.この記事で偉そうに語ってるような西洋かぶれの知ったかぶりどもが嘘マナーを吹聴して回ったから。
本場がどうこう以前に、スプーンを使う意味が分からん。ただ手間を増やすだけの無駄な行為だろ。
日本人が使うのが駄目だとも思わんけど、そもそもそんな日本人全体がどうって突っ込むほど皆してスプーン使ってるわけでもなくないか?たまにそういう人もいるね程度にしか感じないが
スプーンがあった方が巻き取るのが楽だから。麵量を調整出来て食べやすいから。色々理由は在れど結局の所その人が食べやすい食べ方だからそうしているだけ。色んな理屈を捏ねたところで人間は楽をしたい生き物だからね。スプーンを手間と感じる人が使わないのもその方が楽だからな訳だし。
映画「タンポポ」でスパゲッティを食うシーンを思い出した。食事マナーの講師がフォーク&スプーンで音を立てずに食うけど、たまたま居合わせた客のオッサンが音を立ててガツガツ食い、講座を受けに来た生徒も音を立てて食い、仕舞いには講師も音を立てて食うというオチ。
イタリアでこれやると笑われる≫それを笑ってくるイタリア人がもしいるとするなら、そいつが日本食を食べるときに箸を上手く使えないのを笑ってやればいい
海外の映画でパスタをスプーン使って食べてるのを見た覚えあるが、何て映画だったかな…食事マナーの授業でおばさん先生がスプーン使って音出さないようにパスタを食べるんだけど、近くでおっさんがパスタをズルズル音出して食べてて、生徒たちがそっちの真似してズルズル食べだすシーンだけ頭に残ってる